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10月の給料で手取りが減る理由。給料は下がっていません

2026-09-03
社会保険給与明細標準報酬月額ひとり社長

10月の給与明細を見て、手取りが減っている。でも基本給は変わっていない。

これは多くの場合、社会保険料が変わったためです。仕組みを知っていれば慌てずに済みますし、従業員から質問されたときにも説明できます。

保険料は4月・5月・6月の報酬で決まります

社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の額は、標準報酬月額という区分で決まります。

この標準報酬月額を毎年決め直す手続きが定時決定(算定基礎届)です。

出典:日本年金機構 定時決定(算定基礎届)

つまり、春の残業が多かった年は、その後1年間の保険料が上がります。

決まった額は9月から適用されます

日本年金機構のページには、こう書かれています。

決定された標準報酬月額は、原則として、その年の9月から翌年8月までの各月に適用されます。

9月からです。ではなぜ10月の給与で気づくのでしょうか。

9月分の保険料は、10月払いの給与から引かれます

社会保険料の控除は、法律上前月分を控除するのが原則です。

したがって、9月分の保険料は10月に支給する給与から控除されます。

整理するとこうなります。

内容
4月・5月・6月この3か月の報酬で標準報酬月額が決まる
7月算定基礎届を提出
9月新しい標準報酬月額の適用開始
10月支給の給与9月分の保険料が引かれる ← ここで手取りが変わる

給与額そのものは変わっていません。引かれる額が変わっただけです。

ひとり社長も同じです

法人の代表者で役員報酬を受け取っている場合も、同じ仕組みが適用されます。

自分ひとりの会社でも、算定基礎届は必要です。そして10月支給分から保険料が変わります。

「自分で決めた報酬なのに手取りが変わった」と感じるのは、この仕組みによるものです。

確認するには

去年の10月の給与明細と、今年の10月の給与明細を見比べてください。

総支給額が同じで保険料だけ変わっていれば、定時決定によるものです。

なお、年の途中で報酬が大きく変わった場合は随時改定(月額変更届)という別の手続きがあり、そちらでも標準報酬月額は変わります。

従業員に聞かれたときは

「給料が減った」と言われることがありますが、多くの場合は誤解です。

総支給額は変わっていないこと社会保険料が4〜6月の報酬をもとに決まり9月から変わることを説明できれば、たいてい解決します。

明細を一緒に見て、総支給額の欄を確認するのがいちばん早いです。

まとめ

この記事は制度の一般的な説明です。個別の判断については税理士・社会保険労務士など有資格の専門家にご相談ください。