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最低賃金が上がるとき、人を雇っている側が9月中にやること

2026-09-04
最低賃金給与計算労務経営者

最低賃金が上がるとき、時給で払っている人だけの話だと思われがちですが、そうではありません。

月給で払っている人も対象です。月給を時間あたりに換算して、最低賃金額と比べます。

しかもこの計算には、入れてよい手当と入れてはいけない手当があります。ここを間違えると、払っているつもりで下回ってしまいます。

全国一斉ではありません

まず前提として、最低賃金の発効日は都道府県ごとに違います。

地域別最低賃金は、各都道府県労働局長が決定します。「10月1日から」と決まっているわけではありません。

昨年度は、10月1日から翌年3月31日まで幅がありました。自分の都道府県の発効日を確認してください。

出典:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

発効日が給与の締めの途中に来るとき

ここがいちばん間違えやすいところです。

たとえば毎月15日締めの会社で、自分の都道府県の発効日が10月1日だとします。このとき、9月16日から10月15日までの給与は、その途中で単価が変わります。

厚生労働省は、この点をはっきり書いています。

賃金算定期間の途中に発効日がある場合であっても、発効日以降は改定後の最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります

出典:厚生労働省 最低賃金制度 よくある質問

つまり、ひとつの給与の中で単価が2つになります。

期間適用する単価
9月16日〜9月30日改定前の単価
10月1日〜10月15日改定後の単価

「次の給与から上げればいい」は通りません。発効日から締め日までの分が不足し、差額の支払い義務が生じます。

厚生労働省は同じページで、支払わなかった場合についてこう書いています。

支払わない場合は最低賃金法違反として罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

今年(令和8年度)の発効日

令和8年度の改定額は、令和8年10月1日から12月2日までの間に、順次発効される予定です(令和8年9月3日発表)。全国加重平均は1,177円で、昨年度の1,121円から56円の引上げです。

出典:厚生労働省 全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました

自分の都道府県の発効日を、先に確認してください。発効日が決まらないと、どの日から単価を切り替えるかが決まりません。

月給の人をどう判定するか

計算式はこうです。

月給 ÷ 1箇月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)

厚生労働省が示している計算例では、次のようになっています。

```
(180,000円 × 12か月) ÷ (250日 × 8時間) = 1,080円
```

月給18万円、年間所定労働日数250日、1日8時間の場合、時間あたり1,080円という計算です。この数字が、自分の都道府県の最低賃金額を下回っていないかを見ます。

出典:厚生労働省 最低賃金の対象となる賃金・比較方法

計算に入れない手当があります

ここが間違えやすいところです。次の手当は、最低賃金と比べる賃金には含めません。

含めるのは、基本給と職務手当などです。

つまり「通勤手当込みなら足りている」は通りません。通勤手当を除いた金額で判定します。

残業代を含めて計算してしまうと、実態より高く見えてしまうので注意してください。

下回っていた場合

最低賃金額より低い賃金は、労働者と使用者の合意があっても無効です。最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。

そのうえで、次の責任が生じます。

「本人が納得している」「そういう契約だった」は理由になりません。

出典:e-Gov 最低賃金法

やることは3つ

① 自分の都道府県の発効日を調べる

厚生労働省のサイトか、都道府県労働局のページで確認できます。全国一斉ではないので、自分の事業所がある都道府県を見てください。

複数の都道府県に事業所がある場合は、それぞれの発効日を確認する必要があります。

② 月給を時給に換算する

月給 ÷ 1箇月平均所定労働時間で計算します。

1箇月平均所定労働時間は、年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12 で求めます。

このとき、通勤手当・残業代・家族手当・精皆勤手当は月給から除いて計算してください。

③ 足りなければ引き上げる

発効日までに引き上げます。発効日を1日でも過ぎて下回っていれば、その日から違反です。

引き上げが難しい場合は、業務改善助成金など、賃上げを支援する制度があります。要件があるので、厚生労働省のページで確認してください。

まとめ

この記事は制度の一般的な説明です。個別の判断については税理士・社会保険労務士など有資格の専門家にご相談ください。

こういう制度の話を、毎日1つずつ短い動画にしています。締切や改正を見落としたくない方は、どれか1つフォローしておいてください。

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